これは機械翻訳された記事です。原文は英語です。
空に起きる最もありふれた奇跡の物理学――そして、地球の45億年の歴史の中で、その空の色がどう移り変わってきたか
古い問い、二つの答え
空はなぜ青いのか。この問いには、物理学による短い答えと、地球史による長い答えがある。今日の空は、この惑星がこれまでにもってきたいくつもの空のうち、最も新しいものにすぎない。そのなかには、タイタンのようなオレンジ色の霞が初期の地球を覆っていた時期も含まれている。
25億年以上前の太古代後期には、微生物が放出したメタンが有機物の霞を育て、空をオレンジ色に染めていた。酸素の増加が、そうした霞の時代に終止符を打った。
その酸素を生み出したのは別の微小な生物たちで、彼らは大気を変えようとしたわけではない。ただ日光を食べたかっただけなのである。こうしたことがなぜ空の色を変えたのかは、空気が光をどう扱うかという問題である。
レイリー散乱:そのメカニズム
太陽光は単一の色ではない。可視光のあらゆる波長が混ざり合ったもので、紫(約380ナノメートル)から青、緑、黄、オレンジを経て赤(約700 nm)に至り、さらに両端の外側には人間の目には見えない波長も含まれている。その光が地球の大気に入ると、空気の約99%を占める窒素と酸素の分子に出会う。これらの分子は差し渡しわずか約0.3〜0.4ナノメートルと極めて小さく、可視光の最も短い波長と比べてもおよそ1000分の1の大きさしかない。
電磁波が自らの波長よりはるかに小さな粒子に出会うと、波の振動する電場が粒子内の電荷を同じ振動数で揺り動かす。粒子は微小な放射双極子となり、光をあらゆる方向に再放射する。これがレイリー散乱である。この名は、1871年からその数学的理論を導き、のちにその分子的な基盤を確認した英国の物理学者ジョン・ウィリアム・ストラット、すなわちレイリー卿にちなむ。
決定的なポイントは波長依存性にある。レイリー散乱の強度は波長の4乗に反比例するため、波長のわずかな差が散乱の大きな差になる。青い光の約1.5倍の波長をもつ赤い光は、散乱の効率がおよそ5分の1〜6分の1にとどまり、400 nmの深い紫の光は、700 nmの赤い光より約10倍強く散乱される。青い光は空全体に向けて横方向へと撒き散らされ、赤やオレンジの光の大部分は、大気をまっすぐ通り抜けて目に届く。
空が青く見えるのはそのためだ。私たちが見ているのは直射日光ではなく、散乱された光なのである。太陽から外れたあらゆる方向で、私たちは、頭上の大気柱全体に散らばる何十億もの空気分子によって横向きに再放射された、スペクトルの青い端の光を見ているのである。
専門家解説――なぜ紫ではないのか? 太陽と目
紫の光(波長約380〜420 nm)は波長が短いため、レイリー散乱によって青よりもさらに効率よく散乱される。では、なぜ空は紫ではなく青に見えるのか。答えの一部は太陽にある。太陽が放つ紫の光は青より少ない。太陽の放射スペクトルは青緑の領域でピークに達するため、そもそも大気に入ってくる青い光のほうが多いのである。一方、大気は紫の光を重要な形で選択的に取り除いているわけではない。オゾンが強く吸収するのは紫外線領域だけであり、可視域でのはるかに弱い吸収(シャピュイ帯)は、むしろ波長の長いオレンジ〜赤の光を優先的に取り除く。薄明の頭上の空がいっそう深い青に見えることがあるのは、これが一因である。残りは私たちの目による。目は青に比べて紫への感度がはるかに低い。短波長錐体が最も強く反応するのは青であり、さらに天空光の幅広いスペクトルは緑と赤に感応する錐体も刺激するため、脳はその混合を紫ではなく、やや淡い青として読み取る。
夕焼けと、遠回りする光
夕焼けは、同じ物理を極端な角度から眺めたものだ。太陽が地平線近くにあるとき、その光は目に届くまでにはるかに厚い大気の層を通らなければならず、光路長は正午の数十倍にもなる。光が届く頃には、途中で青のほぼすべてが散乱し尽くされ、赤、オレンジ、黄が優勢になる。太陽は赤くなり、低い空も赤く染まる。
大規模な火山噴火は、成層圏に硫酸塩エアロゾル粒子を大量に送り込み、数か月から数年にわたって夕焼けを劇的に鮮やかにすることがある。これらの粒子は空気分子よりはるかに大きく、レイリー散乱ではなくミー散乱によって光を散乱する。ミー散乱は波長選択性が低いが、短い波長の消散を強め、並外れた赤を生み出す。1815年のインドネシア・タンボラ山の噴火は、その後数年間にJ・M・W・ターナーの絵画に描かれた鮮烈な赤い空の原因と考えられている。
専門家解説――レイリー散乱とミー散乱:粒子の大きさがすべてを決める
レイリー散乱とミー散乱の違いが、太陽系全体の空の色を左右している。レイリー散乱が当てはまるのは、粒子が光の波長よりはるかに小さい場合(約10分の1以下)である。散乱強度はλ⁻⁴に比例し、波長に強く依存する、青に偏った空の色が生まれる。ミー散乱が当てはまるのは、粒子の大きさが光の波長に近づく場合で、塵の粒、霧の水滴、火山性エアロゾル、そして火星大気の酸化鉄粒子などがこれにあたる。ミー散乱は一般に波長選択性がはるかに低く、可視光の各波長をより均等に散らす。そのため空の色を決めるのは、散乱の物理だけではなく、むしろ粒子の大きさ、形、吸収特性である。火山性の硫酸塩エアロゾル、火星の酸化鉄の塵、タイタンのソリンの霞(微小な粒がフラクタル状に集まった塊で、独自の散乱の扱いを必要とする)は、いずれもミー散乱、またはそれに近い領域に属する。地球の青い空は、まさにレイリー散乱が支配する大気――大きなエアロゾルが取り除かれ、主に小さな気体分子でできた大気――の産物なのである。

空の色の歴史:45億年
空はいつも今日と同じ姿だったわけではない。最も劇的に様変わりしたのは太古代後期で、タイタンに似た有機物の霞が現れたり消えたりしていた。本記事に添えたインフォグラフィックは、ありうる歴史の一つを図にしたものである。各時代に割り当てた色は、直接の観測ではなく、大気組成についての知見と散乱の物理に基づいて画家が復元したものである。
冥王代(45億〜40億年前):マグマ、そして水
約45億4000万年前に地球が誕生したとき、そこには空と呼べるようなものはなかった。地表は当初マグマオーシャンで、初期太陽系の破片が降り注いでいた。それでも約1億5000万年のうちに、地殻は液体の水が存在できるほど冷えた。44億年前のジルコン結晶がその証拠を記録している。惑星が冷え、火山からの脱ガスによって大気が形づくられると、大気の主成分は水蒸気と二酸化炭素で、そこに窒素や二酸化硫黄などの火山ガスが加わり、遊離酸素は事実上存在しなかった。大酸化イベントまで、酸素は今日の濃度の約0.001%未満にとどまっていた。
その空の直接の証拠は残っていない。最も有力な推測は、蒸気に満ちた厚い大気の下の、乳白色がかった淡い黄色の空である。火山から出た二酸化硫黄は日光によって硫酸塩エアロゾルの液滴に変えられる。今日の金星の雲を生んでいるのと同じ化学である。これらの粒子は気体分子よりはるかに大きく、ミー領域で光を散乱する。火山活動が激しい時期には空を白く、暗くしただろうし、水蒸気や火山灰がその濁りをさらに深めただろう。
原太古代と古太古代(40億〜32億年前):水の惑星の上の青い空
この時代の大気は窒素と二酸化炭素が主体で、遊離酸素はほとんど、あるいはまったくなかった。窒素と二酸化炭素の空は、私たちの空とほぼ同じように太陽光を散乱する(CO₂分子はN₂よりもさらに強く散乱する)。そのため濃い霞のない場所では、この若い水の惑星の空はおそらく青かった。酸素は必要なかったのである。
中太古代と新太古代(32億〜25億年前):オレンジの時期――生命がつくる霞
生命は、遅くとも35億年前までには地質記録に現れる。最初期の生物は嫌気性だった。メタン生成微生物(メタン菌)は遅くとも34億6000万年前には活動しており、代謝の副産物としてメタンを放出していた。これらの生物が広がるにつれ、大気中のメタンは推定100〜1,000 ppmにまで増えた。メタンが二酸化炭素の約10分の1の濃度に達すると、太陽からの紫外線がメタンを反応性の断片に分解し、それらが重合して、しばしばソリンと呼ばれる複雑な有機エアロゾル粒子となった。今日、土星の衛星タイタンにその色を与えている赤褐色の霞と同じ種類のものである。地球化学的な記録によれば、この霞は途切れなく続いていたのではなく、現れたり消えたりしていた。最もよく記録されている霞の時期は約27億〜25億年前にあたる。硫黄同位体の記録は、約29億年前にそれより早い霞の時期があったことをうかがわせる。霞の時代を約32億年前までさかのぼらせるモデルもある。
この有機物の霞は、約500 nmより短い波長の光を効率よく吸収し、空から青と紫の大部分を奪って、主により長く暖かみのある波長を残す。霞の時期が訪れるたびに、空はオレンジ色に変わった。その合間には空は再び青くなり、約27億年前には、おそらく私たちの空より深く、暗い青だった。海面の高さで噴出した27億年前の溶岩流に閉じ込められた気泡は、当時の気圧が今日の半分未満だったことを示しており、薄い空気は光をあまり散乱しないため、頭上の空はより暗く、彩度の高い色になる。ソリンを豊富に含むタイタンの窒素・メタン大気は、そうした時期の太古代後期の空に最も近い、現存する類似例である。気候、大気化学、霞の粒子の物理を結合したコンピューターモデルによれば、この種の炭化水素の霞は地表を約20 °C冷やすものの、それでも地表の液体の水と両立する。太古代後期の太陽は現在の光度のおよそ80%しかなく、今より暗かったにもかかわらずである。
専門家解説――暗い若い太陽のパラドックスとメタン温室
40億年前の太陽の光度は、今日のおよそ70〜75%だった。これは恒星進化から導かれる確立された帰結である。単純な放射収支からすれば、初期の地球は氷点をはるかに下回っていたはずだ。しかし地質学的証拠は、太古代を通じて地表に液体の水が存在していたことを疑いなく示している。最も有力な説明は、CO₂と、メタン菌がつくり出した高濃度のメタンによる、強力な温室効果である。メタンガスは温室効果による温暖化を上乗せしただろうが、メタンが育てた有機物の霞は地表を陰らせることでその温暖化を一部打ち消した。それでも霞の下で、地表に液体の水は存在しえた。酸素の増加にともなうメタンの消失は、約24億5000万年前に始まった古原生代の氷河時代(カナダのヒューロニアン累層群に記録されたものを含む)の有力な原因と考えられている。南アフリカからは約29億年前の氷河堆積物が見つかっているため、これらは地球最初の氷河時代ではなかったが、最も過酷なものの一つだった。
大酸化イベント(約24億年前)
約24億6000万〜24億3000万年前、地球は、地質学者が大酸化イベント(GOE)と呼ぶ閾値を越えた。シアノバクテリアは酸素発生型光合成を初めて行えるようになった生物で、水分子を分解し、副産物としてO₂を放出する。彼らが放出した遊離酸素は大気中に蓄積し始めたが、当初その蓄積は不安定で、2億年ほど増減を繰り返したのち、約22億年前までに恒久的なものとなった。
霞への影響は決定的だった。酸素は大気中のメタンと反応し、繰り返し現れていたオレンジ色の霞を支えてきた化学反応を止めてしまった。代わって現れたのは、私たちの空によく似た青い空である。レイリー散乱に必要なのは窒素と二酸化炭素の分子だけで、酸素は要らないからだ。酸素そのものは、その後も長く乏しいままだった。原生代中期の「退屈な10億年」を通じて、酸素は今日の水準のごく一部にとどまっていた。
日光と水からエネルギーを取り出す微小な単細胞生物が、空から霞を取り払う手助けをした。彼らの酸素は海洋の化学組成も変えた。微生物の生息環境を変え、酸素に弱い生物を不利な立場に追いやった。もっとも、酸素のない環境は広く残り、嫌気性生物は今もそこで繁栄している。長い目で見れば、あらゆる複雑な多細胞生物がその酸素に依存することになるのである。
古原生代(25億〜16億年前):霞のない空
メタンの霞が消えたあと、空は青かったはずである。酸素は存在したが、今日の水準のごく一部にすぎなかった。空気による散乱のうち酸素が担う部分は小さいため、酸素が乏しくても空の色にはほとんど違いは出なかっただろう。むしろ全気圧、湿度、塵の違いのほうが大きく効いたはずである。
「退屈な10億年」(18億〜8億年前):変わらぬ青
約18億年前から8億年前までの期間は、地質学者から「退屈な10億年」と呼ばれることが多い。環境が比較的安定し、生物の革新がゆっくりとしか進まず、酸素の少なかった時代である。どれほど少なかったかは今も議論があり、推定値は今日の水準の0.1%未満から数%までと幅がある。この時代に送り込まれた人間の観察者は、見慣れた青い空を目にし、その下で呼吸はできなかっただろう。
新原生代後期とカンブリア紀(8億〜4億8700万年前):現代に近づく
複雑な多細胞生物が現れるにつれ、新原生代後期を通じて酸素は、おそらく段階的に増えていった。この時代のスノーボールアース(全球凍結)氷河期(約7億2000万〜6億3500万年前)には、地球の大部分が氷に覆われた。約5億3900万年前のカンブリア爆発の頃までに、酸素は大幅に増えており(標準的なモデルによる復元はカンブリア紀とオルドビス紀の酸素濃度を15〜20%としているが、より新しい復元はもっと遅い上昇を示唆している)、空は今日とよく似た姿になっていた。
専門家解説――酸素は空の色を変えるのか?
意外なことに、ほとんど変えない。レイリー散乱は、気体分子の数と、その電子雲の歪みやすさによって決まる。この性質を分極率という。酸素の分極率は窒素よりわずかに小さく、二酸化炭素は窒素より大きい。そのため、窒素の一部を酸素に置き換えても散乱はほとんど変わらない。酸素と窒素の比率を変えるだけでは散乱への影響はわずかなので、石炭紀〜ペルム紀の酸素のピーク(標準的なモデルによる復元で約30%)が青をより深くすることはなかった。増えた酸素によって全気圧が上がっていたなら、散乱が増えて空はわずかに明るくなり、地平線付近はやや白っぽくなっただろうが、頭上の空は本質的に今日と同じ青だった。
石炭紀とペルム紀(3億5900万〜2億5200万年前):酸素のピーク
石炭紀とペルム紀、およそ3億1000万〜2億6000万年前の酸素濃度は、過去5億4000万年について復元された値の中でも最も高い部類に入る。大型の木本性維管束陸上植物が進化すると、石炭紀の石炭を生んだ森林が膨大な量の有機炭素を地中に埋没させ、CO₂を減らすとともに大気中の酸素を増やした。地球化学者ロバート・バーナーの広く用いられているモデルは、ペルム紀に酸素が約30%でピークに達したと算出している。ただし、より新しいモデルでは細部が異なる。産業革命を動かした石炭層は、これらの森林が圧縮され、化石化した遺骸なのである。
今日より約40%高い酸素濃度は、空をより深い青にすることはなかったが、地上の生命には痕跡を残した。酸素に富む空気は、この時代の巨大節足動物と結びつけられている。翼開長が最大約70センチメートルに達したメガネウラなどの原トンボ類(トンボに近縁な昆虫)がその例で、彼らの気管による呼吸は酸素に富む空気の中でより効率よく働く。ただし、この関係にはまだ議論がある。ヤスデの近縁で体長が最大約2.6メートルに達したアースロプレウラは、酸素がピークを迎える前にすでに巨大化していたからだ。2億5200万年前のペルム紀末の大量絶滅は地球史上最も深刻なもので、海洋生物種の大多数が姿を消した。最近のある推定では約81%である。この絶滅は、バーナーのモデルでは、大気中の酸素の急激な低下と時を同じくしている。
中生代と新生代(2億5200万年前〜現在):見慣れた青
ペルム紀の大量絶滅の後、三畳紀からジュラ紀の大部分を通じて酸素は低いままで、バーナーによる復元では、三畳紀に約12%まで落ち込んでいる。その後、恐竜の時代の残りを通じて、さらに現在に向けて、おおむね着実に増えていったが、古生代後期のピークに戻ることはなかった。その間ずっと、空はそれと分かる青だった。酸素の増減だけでは、空の色にはほとんど影響しなかっただろう。6600万年前、チクシュルーブ衝突が白亜紀に幕を下ろした頃には、酸素は現代の値に近づいており、新生代を通じて今日の水準付近にとどまった。すなわち約78%が窒素、21%が酸素で、残りの大部分はアルゴン、それにわずかな二酸化炭素が加わる。

ほかの空:宇宙が見せてくれるもの
私たちが探査した惑星や衛星、あるいは大気データから制約をかけられる天体の空の色の多様さは、地球の青が、空気が何でできているか、その粒子がどれほどの大きさか、恒星が何を放つかによって決まる、数ある結果の一つにすぎないことを示している。最も示唆に富む例は、火星、タイタン、金星での直接測定から、より推測的な系外惑星の空にまで及ぶ。
火星:バタースコッチ色の昼、青い夕焼け
火星は、地球と正反対になる例として最も示唆に富む。火星の大気は約95%がCO₂だが、地表気圧は地球の約0.6%しかなく、気体分子によるレイリー散乱は無視できるほど小さい。代わりに空を形づくっているのは、酸化鉄を豊富に含む、タルカムパウダーほどの細かさの塵である。その粒子の半径は典型的には約1.5ミクロンだ。火星の弱い重力のもとで、塵は風や砂嵐によって絶えず巻き上げられ、運ばれ、再び堆積している。これらの粒子は青と緑の光を効率よく吸収する一方、より長い波長をより均等に散乱し、火星探査車が一貫して測定してきた、黄色っぽいバタースコッチ色からオレンジがかったピンク色の空を生み出している。
日没時には、幾何学的な関係が逆転する。塵の粒子によるミー散乱は前方散乱が強いため、散乱された青い光が太陽の円盤の近くに集まり、赤みがかった空に囲まれた独特の青い輝きを生み出す。火星には青い夕焼けとオレンジ色の昼がある。地球とはまさに正反対である。この逆転は、オポチュニティ、スピリット、キュリオシティの各探査車によって直接撮影されている。
専門家解説――もし火星に塵がなかったら
塵がすべて取り除かれたなら、散乱の物理学から考えて、火星の空は深く暗い青、つまり地球の高高度の空よりも暗い青になるだろう。火星の大気は薄く、太陽光を散乱する分子がごくわずかしかないからだ。太陽は輪郭のくっきりした明るい円盤として見えるだろう。
タイタン:地球の太古代の空を今に伝える生きたアーカイブ
土星の衛星タイタンは、太陽系で観測できるものの中で、地球の太古代後期の大気に最も直接的に類似する天体である。その大気は約95〜98%が窒素で、メタンは成層圏で約1.5%、地表付近で約5%を占める。これは、GOE以前の地球の空気として復元されている組成におおむね近い。ただし、タイタンははるかに寒冷で、受け取る日光もずっと少ない。タイタンの上層大気では、紫外線がメタンを分解し、ソリンの霞の粒子を絶えず生み出している。太古代の地球についてモデル化されているのと同じ種類の、複雑な有機分子である。
2005年にタイタンの大気を降下したホイヘンス・プローブが直接測定した結果、その空は多層構造をもつソリンの霞によるミー散乱に支配されていることが分かった。霞はフラクタル凝集粒子からなり、地表から高度数百kmまで広がり、高度500 km付近には分離した層がある。空は地球の午後の空より約100〜1,000倍暗く、どの方向を見ても一様に暗いオレンジ色をしている。放射伝達モデルは、タイタンの夕焼けが可視光では「拍子抜けする現象」であると予測している。太陽は地平線よりまだかなり高い位置で薄れて見えなくなり、光はゆっくりと暗くなって、長くぼんやりとした薄明へと移っていく。2034年頃にタイタンに到着する予定の回転翼機ミッション「ドラゴンフライ」が、この化学を直接調べることになる。
金星:硫酸の雲の下の薄暗いオレンジがかった黄色
金星の大気は地表気圧が地球の約90倍もあり、ほぼ全体がCO₂でできていて、高度45〜70 kmには硫酸の液滴の厚い雲がある。金星の大気上端に届く太陽光のうち、地表まで届くのは約2.6%にすぎない。ソ連のベネラ探査機が着陸して撮影した画像では、地表から見た空は薄暗いオレンジ色から黄褐色に見える。光は厚い雲と、その下の濃密な二酸化炭素の大気を通り抜けてくる。雲の上層には正体のまだ分からない吸収物質が含まれており、雲と大気が一緒になって青と紫の光を奪い、主に長い波長の光だけを地面に届けるのである。こうしてふるいにかけられた光に照らされた地表そのものは、ベネラの画像では、いつも暖かく霞んだ空の下のオレンジがかった赤い岩として写っている。CO₂が主体の大気、硫黄の化学、硫酸塩エアロゾルをもつ金星は、ある意味、ごく初期の地球でも働いていたかもしれない過程を、高温・高圧の形で示しているのである。
系外惑星:あらゆる色のパレット
太陽系の外では、空の色は非常に多くの変数に左右されるため、ほとんどどんな色も物理的にありうる。主な決め手の一つは主星の放射スペクトルである。低温のM型矮星は主に赤い光と赤外線を放ち、青い光は比較的少ない。そのためM型矮星を回る惑星では、地球に似た窒素・酸素の大気をもっていても、空の色は私たちの空より長い波長側にずれるだろう。散乱すべき青い星の光が少ないのである。大気圧も重要である。非常に厚い大気は光を何度も散乱させるため空はより明るく淡くなり、薄い大気では空は暗いままになる。
約63光年の距離にあるホットジュピター、HD 189733bは、反射光で深い青色に見えるが、それは気体によるレイリー散乱のせいではない。その青は、ケイ酸塩粒子(実質的には微小なガラスの粒)を含む霞んだ大気が青い光を散乱し、一方でナトリウムが赤い光の多くを吸収することによると考えられている。昼側の温度は1,000 °Cを優に超え、風速は時速8,000 kmを超える。したがって、その青は、そこに何かが住めるかどうかについて何も語っていない。
専門家解説――緑の空には何が必要か?
緑の光(約520〜560 nm)は可視スペクトルの中ほどに位置し、レイリー散乱では青ほど効率よくは散乱されないが、赤よりは強く散乱される。レイリー散乱だけで緑が支配的な空をつくることは、本質的に不可能である。緑を優先的に散乱する大気があれば、青と紫はそれ以上に強く散乱され、そうした短い波長が優勢になってしまうからだ。緑の空はありうるが、照明、散乱、吸収の珍しい組み合わせが必要になる。いくつかの大規模な火山噴火の後には、ちょうどよい大きさの成層圏の硫酸塩粒子が、異常散乱と、薄明の長い光路と、オゾンのシャピュイ吸収との組み合わせによって、緑色の薄明を生み出したことがある。異常散乱では、可視スペクトルの一部で粒子の散乱が波長とともに強くなる。レイリー散乱とは逆の振る舞いである。太陽光のもとでの通常の澄んだ大気のレイリー散乱では、緑色の昼の空は生まれない。
私たちが受け継いだ青
ほかの世界には、ほかの空がある。地球の澄んだ青は、一連の出来事を経た後に残ったものである。酸素発生型光合成の誕生、大酸化イベント、そして若い惑星をときおり覆っていたメタンの霞の消滅である。頭上の青は物理学であり、同時に、シアノバクテリアが放出する酸素によってメタンの霞から守られてきた空でもある。
レイリー卿は1871年にその物理を解き明かした。はるか太古代に酸素発生型光合成を進化させたシアノバクテリアは、それよりずっと前から空を澄ませ始めていた。彼らの酸素は、約24億年前から空気中に蓄積し始めたのである。
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メディア
澄んだ大気から雲に覆われた大気まで、10個のホットジュピター – NASA
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