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要点
2026年10月10日、フーシ派の攻撃が、軍事施設のないリヤドのキング・ハーリド国際空港で13人の命を奪った。サウジアラビアによる初期調査について説明した当局者によれば、まずドローンが飛来し、それが突破したミサイルへの道を開いた。よく語られるのは価格の比率だ。安いドローン対200万ドルのミサイル。だがその比率だけでは誤解を招く。防空をすり減らすのは在庫である。米国のパトリオット迎撃ミサイルは2,330発から推定759〜827発に減り、補充には何年もかかる。在庫が回復するまで、指揮官たちは迎撃ミサイルを3発ではなく2発しか撃たないかもしれない。
目次
リヤドのキング・ハーリド国際空港には軍事施設がない。それでも2026年10月10日の土曜日、フーシ派の攻撃はこの空港を襲った。攻撃に関するサウジアラビアの発表によれば、死者は12人、負傷者は309人。死者にはサウジアラビア人4人、バングラデシュ人2人、アメリカ人、エジプト人、ヨルダン人、パレスチナ人、シリア人、スーダン人各1人が含まれていた。翌日、インド大使館は、この攻撃で負傷したインド国籍の人物が死亡したと発表し、死者は13人となった。2月にイランとの戦争が始まって以来、湾岸アラブ諸国が受けた攻撃のなかで最も多くの死者を出したものであり、10月12日までに空港は5日間で4度攻撃を受けていた。
攻撃の2日後、匿名を条件に取材に応じた地域の当局者2人が、サウジアラビアの初期調査で判明した内容を語った。それによれば、フーシ派はまず複数のドローンを送り込んで、巡航ミサイルと弾道ミサイルを組み合わせた攻撃の露払いをさせ、そのミサイルが空港に到達したという。サウジアラビアの調査当局が知りたいのは、防空網がなぜこの集中攻撃を迎撃できなかったのか、そして1,000キロ以上を飛んで首都に達した兵器について、なぜもっと早く警報を出せなかったのかである。
答えはまだ公表されていない。たしかにフーシ派は、飛行中に進路を変えられる弾頭を備えた弾道ミサイルを持っており、サウジアラビアが使うパトリオット迎撃ミサイルにとって、それが厄介な相手であることは知られている。だが、リヤド上空で起きたのがそれだと述べた者はいない。
調査当局の問いは、あらゆる防空システムが果たさねばならない任務とそのまま重なる。対処できるだけ早く脅威を捉えること、何を撃つかを決めること、それを撃ち落とすこと、そして次の攻撃が来たときにも、適切な兵器を適切な場所に残しておくことだ。安価なドローンとミサイルを混ぜた攻撃は、そのすべてに同時に圧力をかける。レーダーに映る目標が増え、同じわずか数分のうちに下さねばならない判断が増え、発射機から飛び立つ迎撃ミサイルが増え、翌晩のために残る数が減る。
その影響は空港から家庭の光熱費にまで及ぶ。リヤドの空港は攻撃後に閉鎖され、10月21日の時点でも利用しているのは限られた数の国内線だけだった。10月20日、英国は英空軍のタイフーン戦闘機が防衛任務に就き、サウジアラビアの都市とインフラの防護を支援すると発表した。同国にはすでに英国の防空装備が展開されており、それに上乗せする形である。国防省はこの決定を暮らしの問題として説明した。湾岸での暴力の激化は英国の「生活費」を押し上げ、エネルギー供給を乱しかねない、というのである。
ドローン戦の経済学は、たいてい価格の比率として語られる。安いドローン対高価なミサイル、という図式だ。この比率は現実のものだが、それだけでは誤解を招く。数週間、数か月にわたって防空を消耗させていくものは、もっと見えにくい。迎撃ミサイルが何発あるのか、それがどこにあるのか、そして追加でつくるのに何年かかるのか、である。
誰もが引き合いに出す比率
2025年1月までのおよそ15か月間に、紅海の米海軍艦艇はフーシ派との交戦を380回にわたって行い、ミサイル220発と5インチ砲弾160発を発射した。標的はドローン、対艦ミサイル、弾道ミサイルが入り混じっていた。これらの戦闘で海軍の主力迎撃ミサイルとなったSM-2は、1発約200万ドルである。
報道の見出しは、この200万ドルを、2,000ドルとされるフーシ派のドローンと好んで並べた。この比較は誤解を招くし、その第一の理由はドローンの値段にある。2025年6月、当時米中央軍司令官だったマイケル・クリラ大将は議会で、フーシ派が飛ばすイラン供与のドローンは1機あたりおよそ5万〜10万ドルだと証言した。SM-2と比べれば、差は20対1から40対1といったところになる。それでもなお大きく偏った比率であり、ホワイトハウスもそれを認めていた。バイデン大統領の国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバンは、安価なドローンにミサイルを撃つことを「明らかに、われわれにとってはひどい計算式でしかない」と呼びつつ、フーシ派のより高度なミサイルに対しては「計算式はもっと現実的だ」と付け加えた。
この比率のより大きな欠陥は、ミサイルが何を守っているのかを計算から外していることだ。紅海でのある交戦では、対艦巡航ミサイルが駆逐艦「グレイブリー」の「約20億ドルの艦と乗組員全員から1マイル以内」にまで迫ったところで、艦のファランクス近接防御火器に撃ち落とされた。軍艦が守っていたのは、2023年に世界の海上貿易の約10%を運んだ航路である。そして、突破を許した攻撃がどれほどの代償を伴うかを、サウジアラビアはすでに知っている。2019年9月14日、ミサイルとドローンがアブカイクとクライスの石油施設を襲い、同国の生産量の半分以上、世界供給の約5%にあたる日量570万バレルを一時的に止めたのだ。
艦艇が安価なドローンに高価なミサイルを撃つのには、ごく平凡な理由もある。軍艦は港で積み込んだものを抱えて出航し、その搭載内容は最も危険な脅威を打ち破るように組まれている。向かってくるのがドローンだけなら、乗組員の手元には、それに届くもっと安い兵器がないかもしれない。選べるなら、運用者は効果のある最も安い兵器を選ぶ。だが、より安価で射程の短い選択肢が守れるのは、艦の周りのごく狭い範囲にすぎない。2025年1月の時点で、当時海軍水上部隊司令官だったブレンダン・マクレーン中将は、片道攻撃ドローンのような単純な脅威には艦砲と航空機で対処するようになっていると述べた。
つまり、一発ごとに見れば、高価な迎撃ミサイルを撃つのは正しい判断でありうる。値札が語らないのは、そのミサイルがどこから来たのか、そして補充にどれだけかかるのか、である。
在庫、配置、時間
2026年2月28日に始まったイランとの戦争は、この消耗を大規模に見せつけている。イランとその代理勢力は、地域の国々、商業船舶、米軍の基地や艦艇に向けて、数千発のミサイルと片道攻撃ドローンを放った。6月末までに、米国とそのパートナーが地域全体で運用する統合防空網は、6,000機を超える片道攻撃ドローンと1,500発を超える弾道ミサイルを迎撃していた。これらの数字は阻止した脅威の数である。発射された迎撃ミサイルの数も種類も、そこからはわからない。
迎撃のたびに、国の在庫は減っていく。7月下旬までに、ワシントンのシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)のアナリストたちは、予算文書などの公開情報をもとに、米国のパトリオット迎撃ミサイルが開戦前の2,330発から4月の停戦時には1,030発に、戦闘再開後には759〜827発にまで減ったと推定した。弾道ミサイルをより高い高度で撃ち落とすために作られたシステムであるTHAADの迎撃ミサイルは、452発から234〜278発に減っていた。8月上旬には、匿名の情報筋がさらに大きな損耗を伝えた。開戦前のTHAAD在庫の80%近く、パトリオットのおよそ半分が失われたというのである。ピート・ヘグセス国防長官はこの報道を否定し、国防総省はこれらの数字をひとつも認めていない。首席報道官のショーン・パーネルは7月に、軍は「必要なものをすべて持っている」と述べ、10月にはさらに率直に言い切った。「米国の弾薬不足という主張は誤りだ」。ところが10月中旬、事情に詳しい米当局者らによれば、戦争の2か月前、当時の陸軍参謀総長ランディ・ジョージ大将が、パトリオットとTHAADの在庫は2030年まで戦略的に低い水準にとどまると警告していたという。ある当局者は、2025年12月の水準に戻すだけでも2030年までかかると述べた。
在庫は、適切な場所にもなければならない。本国の補給処にあるミサイルはリヤドの役に立たないし、同じパトリオット部隊が複数の場所で同時に求められている。欧州の米軍司令官はポーランドに置きたいと考えるかもしれず、中央軍はクウェートに求め、インド太平洋軍は中国が絡む有事に備えて必要とするかもしれない。2025年4月、太平洋の米軍司令官は上院議員たちに、パトリオット大隊1個が自分の担当地域から中東へ移されたと証言した。スタンダード・ミサイルを積んだ軍艦も弾道ミサイルを迎撃できるが、CSISの指摘によれば、たいていは遠すぎてパトリオットやTHAADの代わりにはならない。3月上旬、地域の当局者2人は記者団に、湾岸アラブ諸国は「迎撃ミサイルが危険なほど少なくなっている」と語り、各国政府はワシントンに引き渡しの前倒しを求めた。統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は、「攻撃と防御の両面で、目下の任務に十分な精密誘導弾がある」と答えた。
海上では、配置の問題はいっそう厳しくなる。発射セルを撃ち尽くした駆逐艦は、補充のために戦場を離れなければならない。「駆逐艦や巡洋艦、そして将来のフリゲートが再装填するために2週間を手放す余裕など、われわれにはまったくない」と、当時の海軍長官カルロス・デル・トロは2025年1月に語った。その1年前、海軍大学校で海洋戦略部門を率いるジェームズ・ホームズは、より広い代償を指摘していた。「紅海で消費された兵器は、主戦域である東アジアで使えない兵器であり、すぐには補充できない」。
駆逐艦が再装填のために港へ戻る理由
米国の駆逐艦は、ミサイルをMk 41垂直発射システムに収めている。甲板に埋め込まれたセルの格子で、各セルにキャニスター入りのミサイルが1発ずつ入る。セルにSM-2を補充するのは岸壁での作業であり、航行中には再装填できない。小型の兵器はもう少し融通がきく。発展型シースパロー・ミサイルは1セルに4発収まり、短距離用のRAM発射機は洋上で再装填できる。太平洋艦隊の場合、再装填の拠点は日本、グアム、ハワイ、カリフォルニアにある。海軍の解決策がTRAMだ。長さ25フィートのキャニスターを吊り上げ、垂直に起こして発射機に下ろすクレーンである。2024年10月11日、巡洋艦「チョーシン」がサンディエゴ沖でこれを使って空のキャニスターを装填し、洋上での初の実証となった。2024年10月の試験の後、デル・トロはTRAMの配備まで2〜3年だと述べた。それでも、艦艇はおそらく戦場からある程度離れた場所で再武装することになる。2026年10月下旬の時点で、TRAMの就役を伝える公的な報告は出ていない。

そして、迎撃ミサイルの補充には何年もかかる。ロッキード・マーティンは2025年、パトリオット・システム用のPAC-3 MSE迎撃ミサイルを、米軍向けと外国の顧客向けを合わせて620発納入した。同社は1月、生産能力を年約600発から約2,000発に引き上げる7年間の枠組みを発表し、7月下旬には陸軍から、2032会計年度までの最大586億ドルの複数年契約を獲得した。国防総省の調達部門は、戦争での弾薬消費が「戦略的な在庫不足」を残し、産業のボトルネックを露呈させたと述べている。最も根深いのは、固体ロケットモーター、高品位の爆薬と推進剤、そして熟練労働者だ。4月のCSISの推計では、PAC-3の発注から納入までの平均期間は3年半だった。退役海兵隊大佐でCSIS上級顧問のマーク・キャンシアンは、7月にこの遅れをこう説明した。「今日システムに資金を投じても、ミサイルが手に入るのは3年か4年後だ。5年かかることさえある」。そしてその裏返しとして、「いま受け取っているのは、2023年に予算がついたミサイルだ」。
ウクライナと多層の防空
湾岸が迎撃ミサイルの補充にかかるコストを示しているとすれば、ウクライナが示しているのは、迎撃ミサイルを少なくて済ませるために何が必要かである。ウクライナの報告によれば、2025年に同国に向けて発射されたシャヘド型ドローンはおとりを含めて5万4,538機、2026年5月には月間最多の8,161機に達した。9月には、ウクライナ空軍が公表した報告の合計は6,732機だった。この攻撃を月ごとに追跡している科学国際安全保障研究所は、空軍がもはや24時間の完全な集計を毎日公表していないため、この数字を報告上の基準値として扱い、月全体では約7,400〜7,700機と推定している。
ロシアの攻撃編隊に含まれる機体が、すべて爆弾というわけではない。攻撃用のシャヘドと並んで飛ぶのは、おとり、徘徊型弾薬、偵察ドローンのいずれにもなる多用途型のゲルベラと、弾頭をまったく持たないおとりのパロディだ。CSISのアナリストたちは、この混成が防御側に何をもたらすかを説明している。シャヘドは「目標を攻撃するのと同じくらい、防空を飽和させるために使われ、レーダー画面を埋め尽くし、パトリオットのような高性能の地対空ミサイルをどこに撃つかの判断を指揮所に迫る」。
同じアナリストたちは、この攻撃作戦の費用をロシアの側から見積もろうとした。2022年9月から2024年12月までのウクライナ空軍の報告と、あえて高めに想定した1機3万5,000ドルという価格を用いて、彼らは2025年初め、シャヘドによる攻撃はロシアにとって命中した目標1つあたりおよそ35万ドル、最も費用対効果の高いミサイルでは約100万ドルと算出した。彼らのモデルでは、シャヘドはロシアの長距離兵器のなかで最も費用対効果の高い兵器となった。この期間のドローンの約90%が迎撃されるか、目標に到達できなかったにもかかわらず、である。
2026年9月、ウクライナは5,520機のドローンを撃墜または無力化したと報告した。この公式集計は、完全に破壊したドローンと、電子戦で進路をそらしたドローンをひとまとめにしている。同研究所の再構成では命中は824機で、これは報告された総数の約12%にあたる。これは同研究所独自の推定で、公式の数字ではない。また、分母におとりが含まれているため、推定しているのはシャヘドの命中精度ではなく、報告された攻撃編隊のうち何かに命中したものの割合である。
残りを食い止めているものの多くは安価だ。ウクライナは音響センサー、機動防空チーム、電子戦を、タブレットでも動く共有デジタル地図で結んでいる。センサーがドローンの音を聞き取り、地図が機動チームをその進路へと向かわせ、妨害装置は衛星航法を欺瞞してドローンの進路をそらすことができる。重機関銃も低コストの手段に数えられる。
安価だからといって、容易なわけではない。2025年8月、イジューム近郊の機動射撃グループが、ウクライナの記者に自分たちの任務を語った。彼らの武器は、古いトラックに載せたソ連時代のZU-23機関砲だった。この機関砲の射程は水平方向に2,500メートルだが、上方へはおよそ1,500メートルしか届かない。この部隊が追うシャヘドは高度1,500〜2,800メートル、ときには3,000メートルを飛んでいた。「神のおぼしめしがあれば、100発に1発は当たる」と、コルサとだけ名乗る隊員は言った。ドローンは月を追うごとに「どんどん高く、どんどん速く」飛ぶようになっている、と彼は語った。
英国はいかにしてV-1を止めるすべを学んだか
1944年6月13日午前4時18分、最初のV-1飛行爆弾がケント州のスワンズコムに落ちた。V-1はやかましいパルスジェットとあらかじめ設定された誘導装置を備え、命中精度はきわめて低かった。英国の最初の防御はうまく機能しなかった。ロンドン近郊の高射砲がV-1に命中させても、V-1はそのまま市内に墜落し、高速で低空を飛ぶミサイルを追う戦闘機は高射砲帯に迷い込んだ。7月13日、防空司令官ロデリック・ヒルは高射砲を海岸へ移すことを決めた。7月17日までに重高射砲とレーダーは配置を終えた。2万3,000人と約6万トンの物資を動かす移動だった。高射砲には米国製のSCR-584レーダー、射撃算定装置、そして近接信管も与えられた。近接信管は目標からあらかじめ設定された距離で炸裂するもので、旧式の信管のおよそ5倍の効果があることがわかった。砲手たちは移動後の最初の1週間で目標の17%を撃墜し、作戦最後の4日間では74%を撃墜した。8月27日から28日にかけての夜、防御側は報告された97機のV-1のうち90機を破壊し、ロンドンに達したのは4機だった。全体で、防御側は7,488機を観測し、3,957機を撃墜した。V-1はロンドン地域で6,184人の命を奪った。
最も新しい安価な層は迎撃ドローン、つまり別のドローンを捕捉して破壊するために飛ばす小型ドローンである。当時ウクライナ国防相だったミハイロ・フョードロフによれば、2026年3月に迎撃ドローンはさまざまな種類の敵ドローンを3万3,000機以上撃墜し、2月の2倍に達した。これは公式の主張であり、シャヘドから小型の偵察ドローンまですべてを含んでいる。米陸軍もこれに注目している。当時陸軍長官だったダン・ドリスコルが4月に議会で語ったところでは、イランとの戦争が始まってから8日間で、陸軍は米企業ペレニアル・オートノミー製のメロプス迎撃ドローン1万3,000機を、1機およそ1万5,000ドルで購入した。「その取引なら一日中でもやる」と彼は言った。陸軍はメロプスの設計を所有しておらず、「意のままに生産することはできない」。6月、陸軍は、政府が設計を所有し、どのメーカーにも渡せる低コスト迎撃機を調達するプログラムを始めた。

公式の集計は、撃墜が機関砲、妨害装置、迎撃ドローン、航空機、ミサイルのあいだでどう分かれているかを示していない。それでも断片を合わせれば、一つの防空の姿が浮かび上がる。月に数千機のドローンに、多数の安価な手段へ仕事を分散させることで対処し、それをセンサーと共有された状況図、そしてどこにいるべきかを心得た要員がまとめ上げている防空である。
攻撃側は適応する
機能する層は、相手の対抗策を招く。標準的なシャヘドの速度は時速約185キロだ。ジェット推進の後継機は時速およそ500キロに達し、機動射撃チームが交戦できる時間を縮める。同研究所の評価では、それは「ウクライナに、より高性能な迎撃機やミサイル・システムの使用を強いるかもしれない」。安価な層が追いつかないかぎり、速度は、その層が節約するはずだった高価な兵器へと防御側を押し戻しかねない。追いつこうとしている層もある。10月上旬までに、キーウで任務に就く自動機関砲塔がジェット推進ドローンを撃墜していた。
9月を通じて、数字は急速に動いた。ゼレンスキー大統領によれば、9月26日までにロシアはその月だけで2,730機を超えるジェット推進型シャヘドを発射し、ウクライナはその約55%を無力化していた。旧来のプロペラ型に対しては90%以上である。ウクライナ空軍のユーリー・イフナトは、その月の合計をジェットドローン約3,500機と見積もった。8月の約2,800機からの増加である。彼は自動機関砲塔を、迎撃ドローン、航空戦力、電子戦と並ぶ防御の一要素にすぎないと説明した。そして、ジェットドローンは飛行特性の一部で巡航ミサイルに近づきつつあり、そのために安価な対シャヘド手段のいくつかは効果が薄れると警告した。
攻撃は10月に入っても続いた。10月21日から22日にかけての夜、ロシアはイスカンデルM、ツィルコンなどのミサイルとともに210機のドローンを送り込み、そのうち110機がジェット推進型だった。主な標的はキーウだった。午前9時の時点で、空軍の速報値では、ドローン181機が破壊または妨害され、10機がなお飛行中だった。翌晩、ロシアは176機のドローンを発射し、そのうち92機がジェット推進型シャヘドだった。10月23日午前8時の速報値では、撃墜140機、なお飛行中10機だった。
攻撃側には、速度のほかにもう一つの手段がある。順序だ。安価な機体を先に送り込めば、高価な兵器が到着する前に、防御側はそれに注意と弾薬を費やす。地域の当局者2人が語ったリヤドの経緯、つまりミサイルの道を開くためにドローンを先行させたという話は、まさにこのパターンにあたる。それがミサイルの突破を説明するのかどうかは、サウジアラビアの調査が明らかにすべきことだ。
新たな層とその限界
防御側は層を重ねている。それぞれの層は、射程、天候、そして交戦できる目標によって制約される。紅海では航空機がその一つになった。クリラは議会で、フーシ派に対する米国の作戦である「ラフ・ライダー作戦」以降、撃墜したドローンの約40%は、F-16やF-15から発射されるレーザー誘導の2.75インチ・ロケット、APKWSによるものだと証言した。「およそ5万ドルか10万ドルのドローンに向ける、2万5,000ドルの弾薬」である。ロケットは安い。だが、それを運ぶ戦闘機は、ドローンが来たときに空中の、しかも適切な場所にいなければならない。
レーザーは、1発あたりのコストがきわめて低いことを約束する。イスラエルは2025年12月28日、ミサイル防衛システム「アイアンドーム」を補完するものとして、最初のレーザー「アイアンビーム」を受領した。当局者は、その運用コストを迎撃1回あたり数シェケルとしている。防衛関係の推定では、射程は約10キロである。引き渡しの際、イスラエル国防省の事務次官は、納入されたシステムは生産中の多くのシステムの第1号だと述べた。だが8月の時点でも引き渡されたのはこの1基だけで、本格的な運用にはまだ入っていなかった。英国は自国のレーザー「ドラゴンファイア」の運用コストを1発約10ポンドとしており、試験では時速650キロを出せるドローンを撃ち落としている。こちらもまだ就役していない。3億1,600万ポンドの契約により、2027年までに英海軍の45型駆逐艦に搭載される予定だ。
1発あたりの価格には、レーザーそのものの価格、その電源、そして照準を指示するセンサーの価格が含まれていない。物理法則は、さらに厳しい限界を課す。高出力レーザーは一度に一つの目標しか攻撃できず、無力化に数秒、次の目標へ向き直るのにさらに数秒を要する。そのため1基のレーザーが止められるのは、同時に到来する兵器のうち限られた数にとどまる。飽和攻撃が突こうとするのは、まさにそこだ。さらにレーザーは、雨や霧のなかではうまく機能しないか、まったく機能しないこともある。
そして、最も手ごわい脅威は元の場所にとどまっている。「弾道ミサイル防衛には、パトリオットとTHAADに代わる良い選択肢はない」と、CSISのアナリストたちは7月に書いた。安価な層にできるのは、ドローンをパトリオットの手から引き受けることだ。そうすれば節約された1発1発が、安価な兵器では止められない弾道ミサイルのために残る。
どの一発を撃つかを選ぶ
在庫が乏しくなると、防御側は弾を切り詰めはじめる。CSISのアナリストたちは7月、「在庫の減少により、米国と連合のパートナーは迎撃でより大きなリスクを取らざるを得なくなるかもしれない」と警告した。キャンシアンは二つの具体例を挙げた。一つは、飛来するミサイルに対し、迎撃ミサイルを3発ではなく2発撃つことだ。「迎撃の確率は下がるが、ミサイルを1発節約できる」と彼は言った。もう一つは、人もインフラもない場所に落ちると予測されるミサイルには撃たないことである。「そのまま見送って、いくらかの小さな被害が出るかもしれないという事実を受け入れるかもしれない」。
より安上がりな選択は、危険をよそへ移す。機関砲や短距離兵器で仕留められるようドローンをより近くまで引きつければ、艦と乗組員はより大きな危険にさらされると、ホームズは2024年に警告した。成功した迎撃でさえ、害をもたらしうる。2026年4月8日、アラブ首長国連邦では、迎撃成功に伴う破片がハブシャンのガス施設で火災を起こし、3人が負傷して操業が止まった。開戦から最初の6週間に、UAEは自国だけで弾道ミサイル537発、巡航ミサイル26発、ドローン2,256機を迎撃したと報告している。このペースでは、落下する破片はそれ自体がひとつの危険となる。10月21日には、サウジアラビアのシャイバ油田上空で迎撃されたドローンの破片が作業員2人の命を奪った。
そもそも高価な一発を正当化した価値の判定は、いまもこうした選択を左右している。違うのは、防御側がいまやそれを飛来するすべての航跡に当てはめなければならないことだ。発射機に残るミサイルは減り、発注から納入までのあいだには何年分もの工場の稼働時間が横たわっている。
受注残と発射機
10月21日深夜、同国東部ダンマームのキング・ファハド国際空港が攻撃を受け、サウジアラビア国民1人とインド人居住者1人の計2人が死亡、8人が負傷した。10月23日午前4時過ぎには、サウジアラビア主導の有志連合の防空部隊がリヤドを狙った弾道ミサイル1発を撃墜した。南部に向かっていたドローン2機を迎撃した3時間後のことである。この時点で、フーシ派は10月だけで同国に向けて少なくとも14発の弾道ミサイルと60機を超える武装ドローンを放っていた。
10月22日、ロッキード・マーティンは、PAC-3 MSE迎撃ミサイルを製造する複数年契約に関わる525億ドルを含め、過去最高となる2,920億ドルの受注残を報告した。パトリオットとTHAADの増産で売上も伸びたという。それらのミサイルが届くのは、何年もかけてのことになる。
在庫が回復するまで、指揮官たちはキャンシアンが語った選択を迫られるかもしれない。飛来するミサイルに、迎撃ミサイルを3発ではなく2発。
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参考図書
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- The Kill Chain: Defending America in the Future of High-Tech Warfare — Christian Brose (2020). 少数の高価な兵器は多数の安価な兵器に敗れると論じる。防空の核心にあるコストの問題。
- 無人の兵団:AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争 — Paul Scharre (2019). 元国防総省高官による、ドローン、スウォーム、自動化された防空システムのわかりやすい手引き。
- The Drone Age: How Drone Technology Will Change War and Peace — Michael J. Boyle (2020). 安価なドローンがどのように広まり、国家がそれにどう適応しているかを学術的に概観する。
おすすめ動画
1:44米が迎撃ミサイル納入遅らせている 説明もされず ウクライナ大統領が米議員団に訴え(2026年10月20日)ゼレンスキー大統領が米国による迎撃ミサイル納入の遅れを訴えたニュースで、記事の言う防空の弾薬在庫の問題を示す。
6:17Inside the race to build Patriot missiles as stocks run low在庫が減るなかでパトリオット迎撃ミサイルの増産を急ぐ現場に迫るPBS NewsHourの番組。
8:01Iranian drones: Cheap to produce, costly to defend againstイランが設計した安価なドローンに対する防御が、なぜこれほど高くつくのかを伝えるCNNの動画。この記事の引用
Ulfur Atli. “安いドローン、足りないミサイル――防空を持ちこたえさせるために必要なもの.” Eikleaf, 2026年10月24日, 更新 2026年10月25日. https://www.eikleaf.com/ja/cheap-drones-scarce-missiles-what-it-takes-to-keep-an-air-defence-going/
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メディア
フーシ派のミサイルとドローンを迎え撃つ米駆逐艦「カーニー」 – U.S. Navy, Wikimedia Commons
米駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」でのSM-2の補充、ポート・イーデン – U.S. Navy, Wikimedia Commons
ポーランド・リパ近郊の対ドローン訓練課程での迎撃ドローン – U.S. Army, Wikimedia Commons
主な出典と参考文献
Samy Magdy. “Saudis probe how defense systems failed to stop deadly Houthi attack on Riyadh airport.” Associated Press via PBS NewsHour, 12 October 2026. https://www.pbs.org/newshour/world/saudis-probe-how-defense-systems-failed-to-stop-deadly-houthi-attack-on-riyadh-airport
CBS News. “Saudi Arabia’s main airport hit again, a day after strike killed 13 at Riyadh’s King Khalid International.” CBS News, 12 October 2026. https://www.cbsnews.com/news/houthis-threat-saudi-airspace-attack-riyadh-airport/
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